死ぬかと思った 第三弾

高校生の時の剣道部合宿の時のことです
蝉がみーんみーんみーんと鳴く
暑い夏休みのこと
その頃運動中は水飲んじゃダメ
と今ではそれ自体死んでまうやろぉぉな内容が
当たり前のように言われていた頃のお話です

体育館はただでさえむしむしするのに
防具をつけて小手（手袋みたいなやつ）までつけて
走り回る剣道部員の部室は学校ダントツ１位の臭さ
だって防具は洗えないって知っていましたか？
一晩で胴着が緑色（カビです）や
持って帰って洗濯するのが面倒な時は
絞れば汗がしたたり落ちる胴着を着る
貞子も真っ青の気持ち悪さです

話がそれましたが、早朝、なぜか？竹刀と防具を持ちながらランニング
朝飯を食べに合宿所に戻る道すがら事件は起きました

道端にクワガタが落ちていたのです
世田谷生まれの僕には衝撃的な光景でした
くわがたー　くわがた捕ったどー　日本の中心で叫んでいました

クワガタさんは黒光りしていて
僕のハートをワシ掴みにしてくれます
かっこいい
これを合宿に持って帰って遊ぼうと
手に握りしめたとたん
激痛が・・・・
僕の左の親指をクワガタさんが渾身の力で挟んでくれています

親指に対し約４５度の角度で背筋よく
まっすぐな感じで締め付けてきます
思わず手を振ってしまった僕
さらにクワガタさんは力を込めてきます
死んでまうぅぅぅぅぅぅ

しかし、ほかの部員に知られたら大変です
逆に僕が捕まった浦島太郎のカメのようにみんなにいじられそうです

合宿所に帰っても・・・・
朝食食べても・・・
歯磨きしても・・・
トイレにいっても・・・
ずーと洗濯バサミのように挟んでいます

ほかの人に知られずクワガタさんを剥がすには・・・・？？？？
このままクワガタさんと一生一緒に暮らそうね
とプロポーズしかかったとき


ぽくぽくぽくぽくチーン（一休さん）
窒息させてみよう
水の中に手を３０秒ほど入れたら
離れてくれました
貴重な体験をさせてくれたクワガタさんに別れを告げ
ちゃんと逃がしてあげました

おしまい